デュラチャ中学数学 のバックアップ(No.23)

中学生のデュラチャ民をお助けします。
計算分野の単元はほぼ網羅しています。
あなたは、1785番目のお客様です。
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作成者 アド★彡?

目次 Edit



正負の数 (中1レベル)


文字式 (中1~中2レベル)


1次方程式 (中1レベル)


平面図形と空間図形 (中1レベル)


連立1次方程式 (中2レベル)


1次関数 (中1~中2レベル)


展開 (中3レベル)


因数分解 (中3レベル)


平方根 (中3レベル)


2次方程式 (中3レベル)


三平方の定理 (中3レベル)


2次関数 (中3レベル)


コメント欄 (高3レベル)

正負の数 Edit



0より大きい数字を正の数といい、
0より小さい数字を負の数という。
5や2.4といった数字は正の数であるが、
これらの数字の直前には+(プラス)という
記号が省略されていて、これを正の符号という。
(例:5=+5 , 2.4=+2.4)
Aを正の数としたとき、0よりA小さい数字を
- (マイナス)という記号を用いて
-aと表し、この記号を負の符号という。
(例:0より3小さい数字は-3)


【例題1】 0より8大きい数字を符号を用いて表せ。

解説:+8 (8の直前には+が省略されている)

補足:8のように、正の整数を自然数という。

数直線において、0からの距離を絶対値という。
3は0より3大きい数字なので絶対値は3であり、
-3も0より3小さい数字なので絶対値は3となる。


【例題2】 絶対値が6になる数字を答えよ。

解説:6と-6 (どちらも0から6だけ離れている)



一般に、数直線の右側にある数字ほど大きくなる


【例題3】 -5と-7の大小関係を不等号で表せ。

解説:-5>-7 (-5の方が右側にある)



負の分数の逆数を求めるときは負の符号のまま
分母と分子を入れ替えれば良い。


【例題4】 -3の逆数を求めよ。

-3=-(3/1) よって、-3の逆数は-(1/3)。



正負の計算には次のようなルールがある。
+,-,×,÷は連続してはいけない。
4に-1を足すときは4+-1ではなく、( )を
補って4+(-1)と表さなければならない。
引く、かける、割るときも同様である。
正負の四則演算は次のように決める。
計算に関わる-の個数が奇数のときは計算結果に
-がつき、偶数のときは計算結果に+がつく。
最終的な計算は数直線で考えると良い。
( ){ }[ ]×,÷+,-
の順に計算する必要があるので気を付ける。
なお、aとbは0以上の数字とし、
割り算においてはb≠0とする。


a+(-b)=a-b
a-(-b)=a+b
(-a)+(-b)=-a-b
(-a)-(-b)=-a+b
a×(-b)=-(a×b)
(-a)×b=-(a×b)
(-a)×(-b)=a×b
a÷(-b)=-(a÷b)
(-a)÷b=-(a÷b)
(-a)÷(-b)=a÷b
※計算に関わる部分の-の個数を数える。
たとえば、(-a)+(-b)では-が2個あるが
計算に関わるのは+とその右側の-であり、
-は1個となるので-a-bとなる。


【例題5】 7+(-3)×{-6-(-4)} を計算せよ。

解説:7+(-3)×{-6-(-4)}=7+(-3)×(-6+4)
=7+(-3)×(-2)=7+3×2=7+6=13



足し算とかけ算においては次の等式が成り立つ。


A+B=B+A
A+(B+C)=(A+B)+C
A×B=B×A
A×(B×C)=(A×B)×C


【例題6】 (-82)+100 を計算せよ。

解説:(-82)+100=100+(-82)=100-82=18



これまでは、分数において分子が分母よりも
大きくなる場合は帯分数(1と3分の2など)に
直していたが、今後は仮分数(3分の5など)で良い。


【例題7】 -(2/3)÷(5/9) を計算せよ。

解説:-(2/3)÷(5/9)=-{(3/2)÷(5/9)}
=-{(2/3)×(9/5)}=-(6/5)



同じ数字をかけ合わせものをその数字の累乗という。
たとえば、4×4は4²と表して4の2乗と読み、
右肩の数字を指数という。(ここでは2が指数)
逆に、4²は4×4のことであり、計算すると16になる。
負の数の累乗を表現するときは(-4)²のように
( )で挟む。-4²と表現した場合は-4ではなく
4をかけ合わせることになり、計算すると-16になる。
指数はその直前の数字にしか効果がない。


【例題8】 (-2)⁴÷(-2²)を計算せよ。

解説:(-2)⁴÷(-2²)
=(-2)×(-2)×(-2)×(-2)÷{-(2×2)}
=16÷(-4)=-4



【例題9】 2+3²を計算せよ。

解説:2+3²=2+3×3=2+9=11

※指数はその直前の数字にしか効果がない。
よって、2+3²=(2+3)²とはならない。


作成日:2020年3月28日
更新日:2020年4月9日

文字式 Edit



文字を用いた式のことを文字式といい、
乗法、除法の計算結果をそれぞれ積、商という。
※足し算を加法、引き算を減法といい、
かけ算を乗法、割り算を除法という。


文字を用いた積の表し方:
[1] 数字と文字の積では数字を先に書く。
[2] 文字同士の積ではアルファベット順に書く。
(敢えてアルファベット順にしないこともある)
[3] 文字を含む乗法では×を省略する。
[4] 1と文字の積、-1と文字の積では1を省略する。
[5] 同じ文字の積は指数を用いて表す。


文字を用いた商の表し方:
[1] 文字を含む除法では÷を用いずに分数で表す。
[2] 文字式に限らず、分母や分子に負の符号
あるときはその-を分数の左側に移動させる。


【例題1】 次の積を文字式の表し方に従って表せ。
(1) x×3
(2) y×z×x
(3) a×1
(4) b×(-1)
(5) b×a×b×(-2)
(6) a÷(-3)

解説:(1) x×3=3×x=3x , (2) y×z×x=x×y×z=xyz
(3) a×1=1×a=1a=a , (4) b×(-1)=(-1)×b=-1b=-b
(5) b×a×b×(-2)=(-2)×a×b×b=-2ab²
(6) a÷(-3)=a×{1/(-3)}=a×{-(1/3)}=-(1/3)a
(a÷(-3)=a/(-3)=-(a/3)としても良い)



いろいろな数量を文字式で表してみよう。


【例題2】 200円の商品をx個と300円の
商品をy個買ったときの値段を求めよ。

解説:200×x+300×y=200x+300y
よって、値段は(200x+300y)円。



円周率3.141592・・・をπと表し、パイと読む。
πは特殊な文字であり、文字の前、数字の後ろに書く。
特殊とはいえ、πは文字であるから×は省略する。


【例題3】 半径 r cmの円について考える。
円周の長さおよび面積を求めよ。

解説:円周の長さはr×2×π=2πr[cm]
面積はr×r×π=π×r×r=πr²[cm²]

※1=1cmは成り立たないので、[ ]の中に単位を
補足した。2πr[cm]という式があるわけではない。
答えるときは2πr cm , πr² cm²などと書く。
πは円周率であることを説明する必要はない。


演算記号の+や-を含まない式を単項式といい、
単項式の和で表せる式を多項式という。
多項式に含まれるそれぞれの単項式をといい、
特に数字だけの項を定数項という。文字を含む
単項式の数字にあたる部分を係数という。
※足す、引くのことであり、符号のことではない。


【例題4】 3a²-4b-8の項、係数、定数項を答えよ。

解説:3a²-4b-8=3a²+(-4)b+(-8)
項:3a²,-4b,-8
係数:a²の係数は3,bの係数は-4
定数項:-8



単項式において、かけ合わされている文字の個数を
次数という。指数と区別すること。(→正負の数)
x³y²の次数は5であるが、指数が5とは言わない。
指数はここでは3や2のことである。(右肩の数字)


【例題5】 6x²yの次数を答えよ。

解説:6x²y=6x²y¹より、次数は3。



多項式において、各項の次数の中で
最大のものをその多項式の次数とする。


【例題6】 -5x²y²+y³-2の次数を答えよ。

解説:各項の次数は左から順に4,3,0。
よって、求める次数は4。



多項式の項の中で、文字の部分が同じ項を
同類項といい、1つの項にまとめることができる。
このことを、同類項をまとめるという。
分配法則mx+nx=(m+n)xを利用する。


【例題7】 x-3+4x+2の同類項をまとめよ。

解説:x-3+4x+2=x+4x-3+2
=(x+4x)+(-3+2)=(1+4)x-1=5x-1



複雑な多項式の同類項をまとめてみよう。


【例題8】 次の多項式の同類項をまとめよ。
3a²b-5b²c+a²b-4b+5b²c-b

解説:3a²b-5b²c+a²b-4b+5b²c-b
=3a²b+a²b-5b²c+5b²c-4b-b
=(3+1)a²b+(-5+5)b²c+(-4-1)b
=4a²b-5b



多項式を加えたり引いたりするときは
その多項式に( )を補う。計算方法は次の通り。
加法 → そのまま( )だけ外す。
減法 → ( )内の各項の符号を変えて( )を外す。
※多項式に関わらず、意味のない( )は外れる。
例:(-4)+3=-4+3=-1


【例題9】 次の計算をせよ。
(1) (2a-3)+(5a+1)
(2) (x-2)-(4x-3)

解説:(1) (2a-3)+(5a+1)=2a-3+5a+1=7a-2
(2) (x-2)-(4x-3)=x-2-4x+3=-5x+1



単項式、多項式と数字の乗法、除法は
これまでの知識で計算することができる。
多項式と数字の乗法、除法では多項式に
( )を補い、分配法則などによって計算する。


【例題10】 次の計算をせよ。
(1) 7x×2
(2) 4(3x+1)
(3) 32x÷4
(4) 6a÷{-(3/5)}
(5) (14x-21y)÷7

解説:(1) 7x×2=7×2×x=14x
(2) 4(3x+1)=4×3x+4×1=12x+4
(3) 32x÷4=(32×x)/4=8x
(4) 6a÷{-(3/5)}=6a×{-(5/3)}
=-{6a×(5/3)}=-{(6×a×5)/3}=-10a
(5) (14x-21y)÷7=(14x-21y)×(1/7)
=14x×(1/7)-21y×(1/7)=2x-3y



いろいろな計算をしてみよう。


【例題11】 次の計算をせよ。
(1) 3(x+2)+2(3x-5)
(2) {(x-3y)/3}-{(3x-5y)/2}

解説:(1) 3(x+2)+2(3x-5)
=3x+6+(6x-10)=3x+6+6x-10=9x-4
(2) {(x-3y)/3}-{(3x-5y)/2}
={2(x-3y)-3(3x-5y)}/6
={2x-6y-(9x-15y)}/6
=(2x-6y-9x+15y)/6
=(-7x+9y)/6
別解 {(x-3y)/3}-{(3x-5y)/2}
=(1/3)(x-3y)-(1/2)(3x-5y)
=(1/3)x-y-{(3/2)x-(5/2)y}
=(1/3)x-y-(3/2)x+(5/2)y
=(1/3)x-(3/2)x+(5/2)y-y
={(2-9)/6}x+{(5-2)/2}y
=-(7/6)x+(3/2)y



単項式同士の乗法では係数の積に文字の積をかける


【例題12】 次の計算を計算せよ。
(1) 4a×5b
(2) 6x×(-3x)

解説:(1) 4a×5b=4×a×5×b
=4×5×a×b=20ab
別解 4a×5b=(4×5)ab=20ab
(2) 6x×(-3x)=6×x×(-3)×x
=6×(-3)×x×x=-18x²
別解 6x×(-3x)={6×(-3)}x²=-18x²



単項式同士の除法もこれまでの知識で計算できる。
乗法のように係数同士、文字同士で割っても良い。


【例題13】 次の計算をせよ。
(1) 20a²b÷(8/5)ab
(2) 15xy×(-2x)÷5xy²

解説:(1) 20a²b÷(8/5)ab
=20a²b÷{(8ab)/5}
=20a²b×{5/(8ab)}
=(20a²b×5)/(8ab)
=(5a×5)/2=(25/2)a
別解 20a²b÷(8/5)ab
={20÷(8/5)}×(a²÷a)×(b÷b)
={20×(5/8)}×a
=(25/2)a
(2) 15xy×(-2x)÷5xy²
=-{(15xy×2x)/(5xy²)}
=-{(6x)/y}
別解 15xy×(-2x)÷5xy²
={15×(-2)÷5}×(x×x÷x)×(y÷y²)
=(-6x)×(1/y)=-{(6x)/y}

※20a²b÷(8/5)abは20a²b÷(8/5)×a×b
のことではなく、20a²b÷{(8/5)ab}のこと。


式の中の文字に数字を当てはめることを
代入するという。代入の計算をしてみよう。


【例題14】次の式の値を求めよ。
(1) a=4のときの5a-1の値
(2) a=3 , b=-4のときの5a-2bの値

解説:(1) 5a-1=5×4-1=20-1=19
(2) 5a-2b=5×3-2×(-4)=15+8=23



複雑な式の値を求めるときは
式を簡単にしてから代入する。


【例題15】 x=-8 , y=11のとき、
3(x+2y)-2(3x-y)の値を求めよ。

解説:3(x+2y)-2(3x-y)
=3x+6y-(6x-2y)=3x+6y-6x+2y
=-3x+8y=-3×(-8)+8×11
=24+88=112



文字式を利用した文章題を扱ってみよう。


【例題16】 2つの奇数の和は偶数である。
そのわけを文字を用いて説明しなさい。

解説:2つの奇数は、整数m,nを用いて
2m+1 , 2n+1と表すことができる。
このとき、(2m+1)+(2n+1)=2m+1+2n+1
=2m+2n+2=2(m+n+1)。ここで、m+n+1は
整数なので2つの奇数の和は偶数である。



作成日:2020年4月9日
更新日:2020年4月9日

1次方程式 Edit



等号=を用いた式を等式といい、等号の
左側の式を左辺、右側の式を右辺という。
また、左辺と右辺を合わせて両辺という。


xがある値のときに成立する等式をxについての
方程式といい、特にax+b=0 (a≠0) の形で
表せる等式をxについての1次方程式という。
方程式を成立させる文字の値をその方程式の
といい、解を求めることを方程式を解くという。


等式の性質:
[1] A=B ならば A+C=B+C
[2] A=B ならば A-C=B-C
[3] A=B ならば AC=BC
[4] A=B ならば A/C=B/C (C≠0)


方程式 3x-8=10 を解くにはまず両辺に8を加える。
3x-8+8=10+8、すなわち3x=10+8となる。
元の方程式と見比べると、左辺の-8は符号を変えて
右辺に移動していることが分かる。このように、
一方の辺にある項を符号を変えてもう一方の辺に
移動させることを移項するという。移項した後は
[3]や[4]のようにかけたり割ったりすれば良い。
この方程式の場合、3x=18となるので
[4]より、両辺を3で割ってx=6となる。


【例題1】 1次方程式 7x-4(3x-5)=5 を解け。

解説:7x-4(3x-5)=5 → 7x-(12x-20)=5
→ -5x+20=5 → -5x=5-20
→ -5x=-15 → x=3



係数に分数を含む方程式では、両辺に分母の
最小公倍数をかけて分数を含まない形に直す。
このように変形することを分母を払うという。


最小公倍数の求め方(自然数が3つ以上の場合):
| は割り算の筆算の記号(厂)の横棒を下側に
つけた記号(カーブのあるL)だと思ってほしい。
8,6,9の最小公倍数を求める場合、2つ以上の
数字で共通に割れる1以外の自然数を見つける。
6と9は3で割れるので、まず次のように書く。
| の横棒は1番後ろの9まで引くこと。
3 | 8,6,9
  8,2,3
また、8と2は2で割れるので次のように書く。
3 | 8,6,9
2 | 8,2,3
  4,1,3
4,1,3では、どの2つの数字に着目しても
1以外の自然数では割れないので終了。
L字型に数字をかけ合わせることで
最小公倍数が得られる。8,6,9の場合、
最小公倍数は3×2×4×1×3=72となる。


【例題2】 1次方程式 (1/2)x=(1/3)x-(5/4) を解け。

解説:2,3,4の最小公倍数は2×1×3×2=12より、
両辺に12をかけて6x=4x-15。4xを移項して
6x-4x=-15。すなわち、2x=-15。
よって、両辺を2で割ってx=-(15/2)。



係数に小数を含む方程式では、両辺に
10の累乗(10,100,1000など)を
かけて小数を含まない形に直す。


【例題3】 次の1次方程式を解け。
0.22x-0.4=0.3x-0.08

解説:両辺に100をかけて22x-40=30x-8。
22xを移項して-40=8x-8。-8を移項して
-32=8x。すなわち、8x=-32なので
両辺を8で割ってx=-4。



1次方程式を利用した文章題を解いてみよう。


【例題4】1個80円のみかんと1個140円のりんごを
合わせて12個買うと代金の合計は1260円であった。
みかんとりんごをそれぞれ何個買ったか求めよ。

解説:みかんをx個買うとりんごは12-x個買うことになる。
このとき、80x+140(12-x)=1260が成り立つ。
80x+140(12-x)=1260 → 80x+1680-140x=1260 
→ -60x+1680=1260 → 60x-1680=-1260
→ 60x=420 → x=7 , 12-x=12-7=5
よって、みかんを7個、りんごを5個買った。



比 a:b について、a/bを比の値という。
a:bの比の値とc:dの比の値が等しいとき、
すなわちa/b=c/dであるとき、a:b=c:dと表す。
このように、比で表された等式を比例式という。
a/b=c/dのとき、両辺にbdをかけるとad=bcになる。
よって、a:b=c:dのときad=bcが成り立つ。


【例題5】 次の比例式を満たすxの値を求めよ。
(4x+3):6x=3:2

解説:(4x+3)×2=6x×3 → 8x+6=18x
→ 6=10x → 10x=6 → x=3/5



【例題6】 等式150x+100y=1000・・・①
においてyを求めることを①をyについて解くという。
①をxについて解け。また、①をyについて解け。

解説:150x+100y=1000 → 150x=1000-100y
→ 3x=20-2y → x=(20-2y)/3 (x=-(2/3)y+(20/3))
150x+100y=1000 → 100y=1000-150x
→ y=10-(3/2)x (y=-(3/2)x+10) (y=(20-3x)/2) 



作成日:2020年4月10日
更新日:2020年4月10日

平面図形と空間図形 Edit



半径r、円周率πの円において
円の面積をS、円周の長さをLとすると
S=πr² , L=2πrが成り立つ。


扇形は円の一部であり、面積や弧の長さは
円の中心角の大きさに比例するので
半径r、中心角a°、円周率πの扇形において
扇形の面積をS、弧の長さをLとすると
S=πr²×(a/360) ,
L=2πr×(a/360)が成り立つ。
L=2πr×(a/360)の両辺を(1/2)r倍すると
(1/2)rL=πr²×(a/360)=Sとなり、
S=(1/2)rLという等式も成り立つ。


【例題1】 次の値をそれぞれ求めよ。
(1) 半径5の円の面積Sと円周の長さL。
(2) 半径4、中心角90°の扇形の面積Sと弧の長さL。
(3) 半径6、弧の長さ10の扇形の面積S。
(4) 弧の長さπの扇形の面積が3となる扇形の半径r。

解説:(1) S=π×5²=25π , L=2π×5=10π
(2) S=π×4²×(90/360)=4π , L=2π×4×(90/360)=2π
(3) S=(1/2)×6×10=30
(4) r=(2×3)/π=6/π



立体の1つの底面の面積を底面積
側面全体の面積を側面積
全ての面の面積の和を表面積という。


【例題2】 円錐の頂点と底面を結んだ線分を
母線という。底面の半径r、母線Lの円錐において
側面積Sを求めよ。(ヒント:展開図を利用する)

解説:円錐の展開図を考えると底面は円、側面は扇形になる。
このとき、扇形の弧の長さL'と円の円周の長さは等しいので
L'=2πr。よって、S=(1/2)LL'=(1/2)L×2πr=πrL。



【例題3】 底面の半径が7、母線の長さが
5であるような円錐の表面積Sを求めよ。

解説:例題2より、S=π×7²+π×7×5=49π+35π=84π。



底面積S、高さhの角柱の体積VはV=Sh
底面の半径r、高さhの円柱の体積VはV=πr²h
底面積S、高さhの角錐の体積VはV=(1/3)Sh
底面の半径r、高さhの円錐の体積VはV=(1/3)πr²h


【例題4】 次の立体の体積を求めよ。
(1) 底面が1辺3の正方形で高さ4の正四角錐の体積V。
(2) 底面の半径が6で高さ5の円錐の体積V。

解説:(1) V=(1/3)×3²×4=12
(2) V=(1/3)×π×6²×5=60π



半径rの球の体積VはV=(4/3)πr³
半径rの球の表面積SはS=4πr²


【例題5】 半径2の球の表面積Sと体積Vを求めよ。

解説:S=(4/3)π×2³=(32/3)π , V=4π×2²=16π



作成日:2020年4月10日
更新日:2020年4月10日

連立1次方程式 Edit



方程式をいくつか組み合わせたものを
連立方程式といい、特に2つの文字を含み、
それぞれについて1次の方程式であるものを
連立1次方程式という。全ての方程式を同時に
成立させる文字の値の組を連立方程式のといい、
解を求めることを連立方程式を解くという。


連立1次方程式の解き方:
[1] 代入法 → 代入によって文字を消去して解く。
[2] 加減法 → 加減によって文字を消去して解く。


【例題1】 次の連立方程式を解け。(代入法)
y=3x-5 , 2x+y=5

解説:y=3x-5を2x+y=5に代入すると
2x+(3x-5)=5x-5=5。→ 5x=10 → x=2
x=2をy=3x-5に代入してy=3×2-5=6-5=1。
よって、x=2 , y=1。



【例題2】 次の連立方程式を解け。(加減法)
5x+2y=1 , 4x-3y=-13

解説:5x+2y=1・・・① , 4x-3y=-13・・・②
①×3より、15x+6y=3・・・③
②×2より、8x-6y=-26・・・④
③+④より、(左辺同士、右辺同士で足し合わせる)
23x=-23。→ x=-1 → ①にx=-1を代入すると
-5+2y=1。→ 2y=6 → y=3
よって、x=-1 , y=3。

※消去する文字の係数の絶対値を一致させること。
xを消去する場合はxの係数を20や-20にする。


連立方程式を利用した文章題を解いてみよう。


【例題3】 2種類の品物A,Bがある。A3個とB1個の
質量は880g、A1個とB2個の質量は560gである。
このとき、A,Bそれぞれの1個の質量を求めよ。

解説:A1個の質量を x g、B1個の質量を y gとすると
3x+y=880・・・① x+2y=560・・・②
①×2-②より、(左辺同士、右辺同士で引く)
5x=880×2-560=1760-560=1200。 → x=240
→ ①にx=240を代入すると3×240+y=720+y=880。
→ y=880-720=160 よって、A1個240g、B1個160g。



作成日:2020年4月10日
更新日:2020年4月10日

1次関数 Edit



y=2x+1にx=1を代入するとy=3になる。
このように、xの値を決めることで
yの値がただ1つに決まるとき、
yはxの関数であるという。
x,yのようにいろいろな値をとる文字を
変数といい、y=axのaのように
一定の数字を意味する文字を定数という。
0≦x≦7のように変数のとりうる値の
範囲を変域といい、xの変域を
定義域、yの変域を値域という。


【例題1】 A地点から1800m離れたB地点まで
分速200mで自転車に乗って移動するとき、
その人がA地点を出発してからx分後に進んだ
距離を y mとして定義域を求めよ。

解説:y=200xと表せる。0≦y≦1800より
200x=0 , 200x=1800となるxを求めることで
定義域は0≦x≦1800になることが分かる。



y=ax(aは定数)で表される等式が
あるとき、yはxに比例するという。
xの値が2倍、3倍、・・・になると
yの値も2倍、3倍、・・・になる。
また、定数aを比例定数ともいう。


y=a/x(aは定数)で表される等式が
あるとき、yはxに反比例するという。
xの値が2倍、3倍、・・・になると
yの値は1/2倍、1/3倍、・・・になる。
また、定数aを比例定数ともいう。


【例題2】 yはxに比例し、x=5のとき
y=-15である。このとき、次の問いに答えよ。
(1) yをxの式で表せ。
(2) x=-2のときのyの値を求めよ。

解説:(1) y=ax (aは定数)にx=5,y=-15を代入して
-15=5a。すなわち、5a=-15。これより、a=-3。
よって、y=-3xとなる。
(2) y=-3xにx=-2を代入してy=-3×(-2)=6。



【例題3】 yはxに反比例し、x=4のとき
y=-6である。このとき、次の問いに答えよ。
(1) yをxの式で表せ。
(2) x=-3のときのyの値を求めよ。

解説:(1) y=a/x (aは定数)にx=4,y=-6を代入して
-6=a/4。すなわち、a/4=-6。これより、a=-24。
よって、y=-(24/x)となる。
(2) y=-(24/x)にx=-3を代入してy=-{24/(-3)}=8。



平面上に垂直な2つの数x直線(→、↑)を引く。
このとき、→をx軸、↑をy軸といい、
x軸とy軸を合わせて座標軸という。
x軸とy軸の交点を原点といい、Oで表す。
Oから右にa、上にb移動した点を(a,b)と書く。
aをx座標、bをy座標といい、(a,b)を座標という。
点Pの座標が(a,b)である場合はP(a,b)と書く。
このように、座標軸を定めて点の位置を座標で
表すことができる平面を座標平面という。


【例題4】 点(-3,2)を左へ4、
下へ3移動した点Pの座標を求めよ。

解説:-3-4=-7、2-3=-1より、P(-7,-1)。



点(a,b)と対称な点は次のように定める。
x軸に関して対称な点の座標は(a,-b)
y軸に関して対称な点の座標は(-a,b)
原点に関して対称な点の座標は(-a,-b)


【例題5】 点(8,6)のy軸に関して対称な点を答えよ。

解説:x座標の符号が変わるので、(-8,6)。



2点(a,b),(c,d)を結ぶ線分の中点の座標は
((a+b)/2,(c+d)/2)で表される。


【例題6】 2点(-2,9),(4,1)を結ぶ
線分の中点の座標を求めよ。

解説:(-2+4)/2=2/2=1 , (9+1)/2=10/2=5
よって、求める座標は(1,5)となる。



yがxの関数で、yがxの1次式で表されるとき
yはxの1次関数であるといい、
y=ax+b(a,bは定数)の形で表される。
このとき、aを傾き、bをy切片という。
また、1次関数のグラフの形は直線である。
1次関数において、変化の割合を
(変化の割合)=(yの増加量)/(xの増加量)
と決める。実は傾きと変化の割合は等しい
よって、1次関数 y=ax+b において
(変化の割合)=a (一定) が成り立つ。
これより、(yの増加量)=a×(xの増加量)となる。


【例題7】 1次関数 y=ax+b (a>0) において
xの値がx1からx2まで増加するとき、変化の割合は
x1,x2の値に関わらず常にaとなることを示せ。

解説:(xの増加量)=x2-x1 , 
(yの増加量)=(ax2+b)-(ax2+b)=a(x2-x1)
よって、(変化の割合)={a(x2-x1)}/(x2-x1)=aとなる。

※a<0の場合も同様に(変化の割合)=a


【例題8】 1次関数 y=-(1/3)x+5 においてxの値が
6から2まで減少したときのyの増加量を求めよ。

解説:(yの増加量)=-(1/3)×(2-6)=4/3



1次関数の値域について考えてみよう。


【例題9】 1次関数 y=-2x+3 (-2≦x≦1)
が与えられているとき、値域を求めよ。

解説:x=-2のとき、y=-2×(-2)+3=4+3=7。
x=1のとき、y=-2×1+3=-2+3=1。
よって、値域は1≦y≦7となる。



与えられた条件から1次関数の式を求めよう。


【例題10】 次の条件を満たす1次関数の式を
それぞれ求めなさい。((1)と(2)は別の問題)
(1) 変化の割合が4でx=-1のときy=-12。
(2) 2点(-1,6),(3,-2)を通る。

解説:(1) y=4x+b (bは定数) と表せる。
この直線は(-1,-12)を通るので-12=-4+b。
b=-12+4=8。よって、求める式はy=4x-8。
(2) (変化の割合)=(-2-6)/{3-(-1)}=(-8)/4=-2
(変化の割合)=(傾き)より、y=-2x+bと表せる。
この直線は(-1,6)を通るので6=2+b。b=4。
よって、求める式はy=-2x+4。



直線と直線の交点の座標を求めるには
代入法によって連立方程式を解けば良い。


【例題11】 次の2つのグラフの交点の座標を求めよ。
y=(1/2)x+1 , y=-(1/2)x+4

解説:連立方程式 y=(1/2)x+1 , y=-(1/2)x+4 を解く。
y=(1/2)x+1をy=-(1/2)x+4に代入すると
(1/2)x+1=-(1/2)x+4。 → x+1=4 → x=3
x=3をy=(1/2)x+1に代入すると、y=(3/2)+1=5/2。
したがって、交点の座標は(3,5/2)となる。



作成日:2020年4月10日
更新日:2020年4月10日

展開 Edit



単項式と多項式の積,または多項式同士の積を
1つの多項式で表すことを展開するという。
※演算記号の+や-を含まない式を単項式といい,
単項式の和で表せる式を多項式という。
たとえば、例題1においては3が単項式であり,
x-2が多項式である。(x-2=x+(-2)と表せ,
xと-2は単項式であるからx-2は多項式)


【例題1】 3(x-2) を展開せよ。

解説:分配法則a(b-c)=ab-acより,3(x-2)=3x-6



次に多項式同士の積について考えてみよう。
(a+b)(c+d)を展開するにはa+b=eとおけば良い。


(a+b)(c+d)
=e(c+d)
=ec+ed
=(a+b)c+(a+b)d
=ac+bc+ad+bd
=ac+ad+bc+bd


これを利用すれば様々な展開の公式が導ける。


(x+a)(x+b)
=x²+bx+ax+ab
=x²+(a+b)x+ab


(x+a)²
=(x+a)(x+a)
=x²+ax+ax+a²
=x²+2ax+a²


(x-a)²
=(x-a)(x-a)
=x²-ax-ax+a²
=x²-2ax+a²


(x+a)(x-a)
=x²-ax+ax-a²
=x²-a²


展開の公式:
(x+a)(x+b)=x²+(a+b)x+ab
(x+a)²=x²+2ax+a²
(x-a)²=x²-2ax+a²
(x+a)(x-a)=x²-a²


【例題2】 4(x+1)(x-2) を展開せよ。

解説:4(x+1)(x-2)=4(x²-2x+x-2)
=4(x²-x-2)=4x²-4x-8



【例題3】 (x+6)² を展開せよ。

解説:(x+6)²=x²+2×6×x+6²=x²+12x+36



【例題4】 2(x-3)² を展開せよ。

解説:2(x-3)²=2(x²-2×3×x+3²)
=2(x²-6x+9)=2x²-12x+18



【例題5】 (x+7)(x-7) を展開せよ。

解説:(x+7)(x-7)=x²-7²=x²-49



【例題6】 (3x-4)(5x+3) を展開せよ。

解説:(3x-4)(5x+3)=15x²+9x-20x-12=15x²-11x-12



共通部分をまとめたり,項の順序を入れ替えたり
することで簡単に展開できる場合がある。


【例題6】 (x+y-2)(x+y+5) を展開せよ。

解説:(x+y-2)(x+y+5)={(x+y)-2}{(x+y)+5}
=(x+y)²+5(x+y)-2(x+y)-10=(x+y)²+3(x+y)-10
=x²+2xy+y²+3x+3y-10



【例題7】 (x+4)²(x-4)² を展開せよ。

解説:(x+4)²(x-4)²=(x+4)(x+4)(x-4)(x-4)
={(x+4)(x-4)}²=(x²-4²)²=(x²-16)²
=(x²)²-2×16×x²+16²=x⁴-32x²+256



【例題8】 (a²+ab+b²)(a²-ab+b²) を展開せよ。

解説: (a²+ab+b²)(a²-ab+b²)
=(a²+b²+ab)(a²+b²-ab)
={(a²+b²)+ab}{(a²+b²)-ab}
=(a²+b²)²-(ab)²
=(a²)²+2a²b²+(b²)²-a²b²
=a⁴+2a²b²+b⁴-a²b²=a⁴+a²b²+b⁴



作成日:2018年8月14日
最終更新日:2019年8月14日

因数分解 Edit



ある多項式を単項式と多項式,
または多項式同士の積で表すことを
因数分解するという。また,ある多項式の
各項に共通に含まれる整数や文字のことを
共通因数といい,共通因数を前に出すことを
共通因数でくくるという。一般に,共通因数で
くくることで因数分解することができる。


【例題1】 9a²x+3ax²-6ax を因数分解せよ。

解説:9a²x+3ax²-6ax=3ax(3a+x-2)



共通因数が見当たらない場合は,
展開の公式の両辺を入れ替えた
式を利用することで因数分解できる。


因数分解の公式:
x²+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)
x²+2ax+a²=(x+a)²
x²-2ax+a²=(x-a)²
x²-a²=(x+a)(x-a)


【例題2】 3x²-6x-45 を因数分解せよ。

解説:3x²-6x-45=3(x²-2x-15)
足して-2,かけて-15になる2数は
3と-5より,3x²-6x-45=3(x+3)(x-5)



【例題3】 x²+10x+25 を因数分解せよ。

解説:x²+10x+25=x²+2×5×x+5²=(x+5)²

※例題2と同様のやり方でも因数分解できる。


【例題4】 9x²-24ax+16a² を因数分解せよ。

解説:9x²-24ax+16a²
=(3x)²-2×4a×3x+(4a)²=(3x-4a)²



【例題5】 2x²-162 を因数分解せよ。

解説: 2x²-162=2(x²-81)=2(x²-9²)=2(x+9)(x-9)



共通部分を置き換えることで
簡単に因数分解できる場合がある。


【例題6】 (x-2)²-3(x-2)-10 を因数分解せよ。

解説:x-2=aとおくと,(x-2)²-3(x-2)-10=a²-3a-10
足して-3,かけて-10になる2数は2と-5より,
a²-3a-10=(a+2)(a-5)=(x-2+2)(x-2-5)=x(x-7)
よって,(x-2)²-3(x-2)-10=x(x-7)



作成日:2018年8月14日
更新日:2018年8月14日

平方根 Edit



この単元で登場する小文字は全て正とする。
aと-aはまとめて±aと表すことができ,
プラスマイナスaと読む。


【例題1】 2と-2をまとめよ。

解説:2と-2をまとめると±2となる。



2乗してaになる数字をaの平方根という。
aの平方根のうち,負でない方を
√aと表し,ルートaと読む。
※0についても同様に考えると
0の平方根は0であり,
0は負ではないから√0=0となる。


【例題2】 16の平方根を求めよ。
また,√9の値を求めよ。

解説:2乗して16になる数字は4と-4の
2種類だから16の平方根は±4
2乗して9になる数字は3と-3の2種類だが,
負でない方は3だから√9=3



√aは面積がaである正方形の
1辺の長さとも言い換えられる。
よって,次の公式が得られる。
(√a)²=a
一般に,(-A)²=A²が成り立つから
A=√aとおくことで次の公式が得られる。
(-√a)²=a
これより,aの平方根は±√aと表せる。


【例題3】 17の平方根を求めよ。

解説:17の平方根は±√17

※例題2においても16の平方根は
±√16と表せるが,√16=4と簡単な数字で
表せるので16の平方根は±4となる。


先ほど,√aは面積がaである正方形の
1辺の長さと説明した。正方形の面積が
大きいほど1辺の長さも大きくなるから
aの値が大きいほど√aの値も大きくなる。


【例題4】 √23と5の大小関係を求めよ。

解説:√a=5とおくと,両辺を2乗して
a=25と求まるから5=√25
√23<√25より,√23<5と求まる。



公式(√a)²=aを利用すると
(√a×√b)²=√a×√b×√a×√b
=√a×√a×√b×√b
=a×b
=ab
{√(ab)}²=ab
これより,(√a×√b)²={√(ab)}²
A²=B²のとき,AとBの符号が一致するなら
A=Bが成り立つから次の公式が得られる。
√a×√b=√(ab)
同様にして次の公式も得られる。
(√b)/(√a)=√(b/a)


【例題5】 √2×√3 を計算せよ。
また,(√15)/(√3) を計算せよ。

解説:√2×√3=√(2×3)=√6
(√15)/(√3)=√(15/3)=√5



2,3,5,7のように正の約数が2個しかない
自然数を素数といい,自然数を
素数の積で表すことを素因数分解という。


【例題6】 60を素因数分解せよ。

解説:60÷2=30 , 30÷2=15 , 15÷3=5より,
割った数と最後の商に注目して60=2×2×3×5=2²×3×5



ある数字に√aをかけるとき,×を省略できる。
ここで,公式(√a)×(√b)=√(ab)を利用すると
√(k²a)=√(k²)×√a=k×√a=k√a
よって,次の公式が得られる。
√(k²a)=k√a


【例題7】 √48をa√bの形で表せ。
(bはできるだけ小さくすること)

解説:√48=√(2×2×2×2×3)=√(2²×2²×3)=2×2×√3=4√3



ax+bx=(a+b)x および ax-bx=(a-b)xより,
xを√cに置き換えることで次の公式が得られる。
a√c+b√c=(a+b)√c
a√c-b√c=(a-b)√c
※√の中は足し引きできない。
例えば√4+√9=2+3=5より,√4+√9≠√13


【例題8】 √18-√8 を計算せよ。

解説:√18-√8=√(2×3²)-√(2²×2)=3√2-2√2=√2

※1xのことをxと表すように1√2とせずに√2とする。


展開や因数分解の公式を
利用すれば複雑な計算もできる。


【例題9】 {(7+4√3)⁴+(7-4√3)⁴}²-
{(7+4√3)⁴-(7-4√3)⁴}² を計算せよ。

解説:(7+4√3)⁴=A , (7-4√3)⁴=Bとおくと
{(7+4√3)⁴+(7-4√3)⁴}²-{(7+4√3)⁴-(7-4√3)⁴}² 
=(A+B)²-(A-B)²={A+B+(A-B)}{A+B-(A-B)}
=2A×2B=4AB=4(7+4√3)⁴(7-4√3)⁴
=4{(7+4√3)(7-4√3)}⁴=4(49-48)⁴=4



分数の分母に√を含むとき,分母の√を
分子に移動させることを分母の有理化という。
分母を有理化するには分母と分子に
同じ値をかければ良い。


【例題10】 1/√20 の分母を有理化せよ。

解説:1/√20=1/√(2²×5)=1/(2√5)
=(1×√5)/(2√5×√5)=(√5)/(2×5)=(√5)/10



展開の公式(a+b)(a-b)=a²-b²を利用すれば
分母が複雑な場合も分母を有理化できる。


【例題11】 1/(√5+√2) の分母を有理化せよ。

解説:1/(√5+√2)={1(√5-√2)}/{(√5+√2)(√5-√2)}
=(√5-√2)/(5-2)=(√5-√2)/3



作成日:2018年8月7日
更新日:2018年8月16日

2次方程式 Edit



(xの2次式)=0の形で表せる方程式を
xについての2次方程式という。


【例題1】 2次方程式 x²=32 を解け。

解説:x=±√32=±4√2



【例題2】 2次方程式 x²-6x+9=0 を解け。

解説:x²-6x+9=(x-3)²=0 ∴x=3



【例題3】 2次方程式 x²=-8 を解け。

解説:2乗して負になる数字は存在しない。∴解なし



上記の例題より,2次方程式の解は0~2個存在する。
2次方程式の解が2個のときは例題1のように
±で表す他にカンマを用いて解を表すことがある。


【例題4】 2次方程式 x²-3x-10=0 を解け。

解説:x²-3x-10=(x+2)(x-5)=0 ∴x=-2,5



移項することで解ける2次方程式もある。


【例題5】 2次方程式 (2x+1)(x-3)=3x²+x+6 を解け。

解説:(2x+1)(x-3)=2x²-5x-3より,2x²-5x-3=3x²+x+6
左辺を右辺に移項して両辺を入れ替えると
x²+6x+9=(x+3)²=0 ∴x=-3



2次方程式の中には因数分解できないものもある。
そういうときは,両辺に数字を加えたり引いたり
してから因数分解すれば良い。こうすることで
どんな2次方程式でも解けるようになる。
ax²+bx+c=0 (a≠0) の解を求めてみよう。


ax²+bx+c=0 (a≠0)
4a(ax²+bx+c)=0
4a²x²+4abx+4ac=0
4a²x²+4abx=-4ac
(2ax)²+2(2ax)b=-4ac
(2ax)²+2(2ax)b+b²=b²-4ac
(2ax+b)²=b²-4ac
2ax+b=±√(b²-4ac)
2ax=-b±√(b²-4ac)
x={-b±√(b²-4ac)}/(2a)


解の公式Ⅰ: ax²+bx+c=0 (a≠0) のとき
x={-b±√(b²-4ac)}/(2a)


【例題6】 2次方程式 2x²+5x-1=0 を解け。

x=(-5±√{5²-4×2×(-1)})/(2×2)=(-5±√33)/4



xの係数が偶数のとき,解の公式は次のように表せる。


ax²+bx+c=0 (a≠0 , b=2b')
x={-b±√(b²-4ac)}/(2a)
=(-2b'±√{(2b')²-4ac})/(2a)
=(-2b'±√{4(b')²-4ac})/(2a)
={-2b'±√(4{(b')²-ac})}/(2a)
=(-2b'±2√{(b')²-ac})/(2a)
={2(-b'±√{(b')²-ac})}/(2a)
=(-b'±√{(b')²-ac})/a


解の公式Ⅱ: ax²+2b'x+c=0 (a≠0) のとき
(-b'±√{(b')²-ac})/a


x²の係数が負のときは両辺に-1をかけると良い。


【例題7】 2次方程式 -3x²+8x-2=0 を解け。

解説:3x²-8x+2=0より,3x²+2(-4)x+2=0
x=(-(-4)±√{(-4)²-3×2})/3=(4±√10)/3



xの部分がax+bの形ならば,ax+bをまず求める。


【例題8】 2次方程式 5(3x+2)²+6(3x+2)-3=0 を解け。

解説:5(3x+2)²+2×3×(3x+2)-3=0より,
3x+2=(-3±√{3²-5×(-3)})/5=(-3±√24)/5=(-3±2√6)/5
3x=(-13±2√6)/5 ∴x=(-13±2√6)/15



作成日:2019年2月21日
更新日:2019年5月5日

三平方の定理 Edit



三平方の定理(ピタゴラスの定理):
直角三角形において、直角を挟む2辺の長さが
a,b、斜辺の長さがcのとき、a²+b²=c²


【例題1】 上記の定理を示せ。

解説:1辺の長さがa+bの正方形の中に正方形の
直角と上記の直角三角形の直角が重なるように
4つの直角三角形を配置すると、中央に
1辺をcとする新たな正方形が出来上がる。
この正方形の面積Sを2通りの方法で表す。
[1] S=(a+b)²-(1/2)ab×4=a²+2ab+b²-2ab=a²+b²
[2] S=c²
[1],[2]より、a²+b²=c²が成り立つ。



【例題2】 斜辺の長さが3cm、他の1辺の長さが2cmの
直角三角形において、残りの辺の長さを求めよ。

解説:残りの辺の長さを x cmとする。
三平方の定理より、x²+2²=3²。→ x²+4=9
→ x²=5 → x>0より、x=√5。
よって、残りの辺の長さは√5cm。



【例題3】 1辺の長さが1cmの正方形
において、対角線の長さを求めよ。

解説:対角線の長さを x cmとする。
三平方の定理より、1²+1²=x²。 → 2=x²
→ x²=2 → x>0より、x=√2。
よって、対角線の長さは√2cm。



30°,60°,90°の角をもつ直角三角形は
正三角形を二等分した図形であるため、
(両端が60°と90である辺の長さ)
(両端が30°と90である辺の長さ):
(両端が30°と60である辺の長さ):
=1:2:√3が成り立つ。
45°,45°,90°の角をもつ直角三角形は
正方形を二等分した図形であるため、
(両端が45°と90である辺の長さ)
(両端が45°と90である辺の長さ):
(両端が45°と45である辺の長さ):
=1:1:√2が成り立つ。


【例題4】 ABを斜辺とする直角三角形ABCにおいて
∠B=30° , AC=5cmのとき、残りの辺の長さを求めよ。

解説:ACは両端が60°と90°である辺なので
AB=2AB=2×5=10[cm] , BC=(√3)AB=5√3[cm]。



【例題5】 1辺の長さがaの正三角形の面積Sを求めよ。

解説:1つの頂点から対辺に垂線を下ろせば良い。
よって、S=(1/2)×a×{(√3)/2}a={(√3)/4}a²。



【例題6】 2点A(6,4),B(1,-2)間の距離ABを求めよ。

解説:ABを斜辺とし、他の2辺がx軸、y軸に
平行であるような直角三角形ABCを作ると、
BC=6-1=5 , AC=4-(-2)=6より、AB²=5²+6²
=25+36=61。AB>0より、AB=√61。

※2点A(x1,y1),B(x2,y2)間の距離ABは
√{(x2-x1)²+(y2-y1)²}で求められる。


作成日:2020年4月10日
更新日:2020年4月10日

2次関数 Edit



y=ax²(a≠0かつaは定数)の形で表される
xの関数yをx²に比例する関数という。
これは2次関数 y=ax²+bx+c において
b=c=0とした関数であるから、
y=ax²は2次関数の1つである。
本格的な2次関数は高1で学習する。


【例題1】 yはx²に比例する関数でx=3のとき
y=36となる。このとき、yをxの式で表せ。

解説:yはx²に比例する関数なので
y=ax²(a≠0)とおける。x=3,y=36を代入して
36=9a。a=4。したがって、y=4x²。



2次関数 y=ax² のグラフの特徴:
[1] 原点を通り、y軸について対称である。
[2] a>0のとき、上に開いた形をしている。
[3] a<0のとき、下に開いた形をしている。
関数 y=ax² のグラフにおける曲線を放物線という。
※上に開いた放物線は下に凸であるといい、
下に開いた放物線は上に凸であるという。


2次関数 y=ax² の値域を求めてみよう。


【例題2】 2次関数 y=-(1/2)x² (-1≦x≦3/2)
が与えられているとき、値域を求めよ。

解説:2次関数 y=-(1/2)x²は上に凸の放物線を
描くので、原点から離れるほどyの値は小さくなる。
よって、x=3/2のときにyの値が最も小さくなる。
y=-(1/2)x²にx=3/2を代入すると
y=-(1/2)×(3/2)²=-(9/8)。
したがって、値域は-(9/8)≦y≦0となる。



【例題3】 2次関数 y=ax² (a>0) において
xの値がx1からx2まで増加するときの
変化の割合を求めよ。

解説:(変化の割合)={a(x2)²-a(x1)²}/(x2-x1)
={a(x2+x1)(x2-x1)}/(x2-x1)=a(x1+x2)

※a<0の場合も同様に(変化の割合)=a(x1+x2)


【例題4】 2次関数 y=2x² においてxの値が
-2から0まで増加するときの変化の割合を求めよ。

解説:(変化の割合)=2×(-2+0)=2×(-2)=-4



放物線と直線の交点の座標を求めるには
代入法によって連立方程式を解けば良い。


【例題5】 次の2つのグラフの交点の座標を求めよ。
y=x² , y=x+6

解説:連立方程式 y=x² , y=x+6 の解を求める。
y=x²をy=x+2に代入すると、x²=x+6。
→ x²-x-6=(x+2)(x-3)=0 
→ x=-2のときy=4 , x=3のときy=9。
したがって、交点の座標は(-2,4)と(3,9)となる。



作成日:2020年4月11日
更新日:2020年4月11日

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  • 中学範囲の数学が分かる方で解説したい方が
    いましたら、未解説の単元を目次に追加して
    編集してもらって構いません。ただ、解説者を
    区別するために最後に解説者を添えてください。
    お好きなニックネームで大丈夫です。 -- アド❄?
    2018-09-12 (水) 23:13:14
  • ためになりました😁 -- 牛乳本舗? 2019-05-03 (金) 12:49:38
    • 役に立てて良かったです。 -- アド❄? 2019-05-05 (日) 13:04:39
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